はじめに
退職後に、何か勉強を始めたい。
でも、何を学べばいいのか分からない。
そんな方には、まず生活に近い資格から始めるのがいいと思います。
いきなり難関資格を目指す必要はありません。
高い教材をそろえる必要もありません。
資格を取って、すぐに仕事にしようと考えなくても大丈夫です。
退職後の学び直しで大事なのは、
これからの生活に役立つ知識を、無理なく身につけることだと思います。
特におすすめしやすいのは、次の4つです。
FP3級
簿記3級
宅建
ITパスポート
この中でも、最初の一歩としてはFP3級がかなり始めやすいです。
年金、保険、税金、相続、資産運用。
退職後の生活に関係する内容を、広く学べるからです。
この記事では、退職後の不安を少しでも減らしたい方に向けて、60代からでも始めやすい資格を紹介します。
退職後に資格をすすめたい理由
退職後の不安というと、まずお金のことを思い浮かべる方が多いと思います。
年金だけで足りるのか。
貯金はどれくらい持つのか。
保険はこのままでいいのか。
相続で家族に迷惑をかけないか。
こういう不安は、誰にでもあります。
ただ、退職後にしんどいのは、お金の不安だけではないと思います。
仕事をしていた頃は、毎日やることがありました。
朝起きる。
会社に行く。
人と話す。
役割がある。
疲れて帰って寝る。
しんどいことも多かったと思います。
でも、その中で自然と生活のリズムができていました。
ところが退職すると、そのリズムが急になくなります。
最初は自由でうれしい。
でも、しばらくすると毎日がぼやけてくる。
昨日と今日の違いが薄くなる。
何となくテレビを見て、何となく一日が終わる。
そうなると、ふとした時に不安が出てきます。
「このままでいいのかな」
「何か始めた方がいいのかな」
「自分はまだ前に進めるのかな」
そんな時に、資格の勉強はちょうどいいんです。
今日は動画を1本見た。
今日は問題を3問だけ解いた。
今日は知らなかった言葉を一つ覚えた。
それだけでも、何もしていない一日ではなくなります。
退職後の生活に、小さな張りが戻ってきます。
退職後の学び直しは、難関資格でなくていい
資格というと、つい難しいものを思い浮かべるかもしれません。
弁護士。
税理士。
行政書士。
社労士。
マンション管理士。
もちろん、こういう資格に挑戦することは素晴らしいです。
ただ、退職後の学び直しとして、最初から難関資格を選ぶ必要はありません。
むしろ、最初は比較的取り組みやすく、生活に近い資格の方がいいと思います。
理由はシンプルです。
生活に近い資格は、勉強した内容がすぐ日常に返ってきやすいからです。
たとえばFP3級なら、年金や保険、相続、税金の話が分かりやすくなります。
簿記3級なら、お金の流れや家計、商売の仕組みが見えやすくなります。
ITパスポートなら、スマホやネット、詐欺対策の基礎が分かります。
こういう知識は、仕事で使わなくても役に立ちます。
自分の生活に使えます。
家族との会話にも使えます。
怪しい話を見た時の判断材料にもなります。
反対に、難しい資格になるほど、どうしても細かい論点が増えます。
もちろん、それが必要な人には大事です。
でも、普通の生活ではあまり使わない知識も多くなります。
そうなると、途中で、
「これ、自分の生活に関係あるのかな」
と感じてしまうことがあります。
退職後の学び直しで大事なのは、資格の名前の強さだけではありません。
自分の生活で使える知識が残るかどうか。
ここを大事にした方がいいと思います。
今はネットやYouTubeでも学びやすい
昔と違って、今は資格の勉強を始めるハードルがかなり下がっています。
本屋で参考書を買わなくても、まずはネットで調べられます。
YouTube(動画サイト)にも、分かりやすい解説がたくさんあります。
FP3級。
簿記3級。
ITパスポート。
このあたりの資格なら、無料で見られる情報もかなり多いです。
もちろん、本格的に合格を目指すなら、参考書や問題集を買った方がいい場合もあります。
動画講座を使った方が続けやすい人もいます。
ただ、最初からお金をかけすぎなくてもいいんです。
まずは無料の動画を見る。
資格の名前で検索してみる。
過去問や解説サイトを少しのぞいてみる。
自分に合いそうなら、参考書や講座を考える。
この順番で十分です。
退職後の方にとって、これは大きいと思います。
勉強を始める前からお金がかかりすぎると、少し身構えてしまいます。
でも、無料情報で雰囲気をつかめるなら、気軽に始めやすい。
「まず見てみる」
「少しやってみる」
「続きそうなら本格的にやる」
このくらいでいいと思います。
資格は「稼ぐため」だけのものではない
資格の話になると、どうしても、
「その資格で稼げるのか」
「仕事につながるのか」
「取って意味があるのか」
という話になりがちです。
もちろん、それも大事です。
でも、退職後の資格は、稼ぐためだけに考えなくてもいいと思います。
資格の勉強には、もっと現実的な意味があります。
自分の生活を守るため。
家族や友人に少し役立つため。
怪しい話に流されないため。
毎日に小さな目的を作るため。
たとえば、FP3級を勉強していれば、保険や年金、相続の話が少し分かるようになります。
ITパスポートを勉強していれば、怪しいメールや偽サイトを見た時に、少し立ち止まりやすくなります。
宅建を勉強していれば、不動産の契約や住まいの話で、まったく分からない状態からは抜け出せます。
それだけでも十分意味があります。
資格は、仕事で使わなければ無意味。
私はそうは思いません。
勉強した知識は、自分の中に残ります。
その知識が、退職後の生活を少し守ってくれることがあります。
退職後におすすめの資格4選
ここからは、退職後の学び直しにおすすめしやすい資格を4つ紹介します。
無理に全部取る必要はありません。
まずは、自分の生活に一番近いものからで大丈夫です。
1. FP3級|お金・年金・保険の不安を減らしたい人におすすめ
退職後にまずおすすめしやすいのは、FP3級です。
FP(ファイナンシャル・プランナー)は、お金や暮らしに関する知識を学ぶ資格です。
FP3級では、主に次のような内容を学びます。
年金。
保険。
税金。
相続。
不動産。
資産運用。
どれも退職後の生活に関係しやすい内容です。
特に、老後のお金に不安がある方には相性がいいと思います。
退職後は、年金や保険の話がかなり現実的になります。
相続のことも気になってきます。
NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)という言葉を聞く機会も増えます。
でも、何も知らない状態だと、何となく不安になります。
「何が得なのか分からない」
「誰の話を信じればいいのか分からない」
「難しそうだから後回しにしたい」
こうなりやすいです。
FP3級を勉強すると、こうした話の基本が少しずつ分かるようになります。
もちろん、FP3級を取っただけで専門家になれるわけではありません。
人に専門的なアドバイスをするには、さらに勉強も経験も必要です。
でも、自分で考えるための土台はできます。
これはかなり大きいです。
退職後に何か一つ資格を始めるなら、私はまずFP3級が一番無理がないと思います。
2. 簿記3級|お金の流れを仕組みで理解したい人におすすめ
次におすすめできるのが、簿記3級です。
簿記は、会社やお店のお金の流れを記録するための知識です。
売上。
利益。
経費。
資産。
負債。
こういった言葉を、仕組みとして学べます。
簿記3級を勉強すると、会社の決算やニュースの見え方が少し変わります。
「売上が多いのに利益が少ないのはなぜか」
「経費とは何か」
「会社のお金はどう動いているのか」
こういうことが、前より分かりやすくなります。
自営業をしている家族や知人がいる方にも役立ちます。
ただし、正直に言うと、簿記は人を選びます。
数字や計算に苦手意識が強い人には、最初は少ししんどいかもしれません。
私自身も、簿記3級はかなり苦戦しました。
簡単と言われることもありますが、人によっては普通に難しいです。
だから、退職後の一つ目としてはFP3級の方が入りやすいと思います。
ただ、
「お金の流れをちゃんと理解したい」
「家計や商売のお金を数字で見られるようになりたい」
「会社の仕組みを少し学びたい」
という方には、簿記3級はかなり良い資格です。
3. 宅建|住まいや相続、不動産に関心がある人におすすめ
宅建は、宅地建物取引士の略です。
不動産の売買や賃貸に関する法律やルールを学ぶ資格です。
この資格は、FP3級や簿記3級よりかなり難易度は上がります。
簡単な資格ではありません。
ただ、退職後の生活とも関係しやすい資格です。
たとえば、
実家をどうするか。
相続した土地をどうするか。
自宅を売るか貸すか。
子どもが家を買う。
賃貸契約で分からないことがある。
こういう場面で、不動産の知識は役に立ちます。
宅建を取ったからといって、必ず不動産業界で働く必要はありません。
でも、法律や契約の基本が分かるだけで、住まいに関する話を少し落ち着いて見られるようになります。
それに、宅建は知名度があります。
「宅建を持っています」
「宅建を勉強しています」
と言うと、一般の人にも伝わりやすいです。
退職後に、少ししっかりした資格に挑戦したい方には良い選択肢です。
ただ、最初の一歩としては少し重いかもしれません。
まずFP3級などで勉強の感覚をつかんでから挑戦する方が、無理がないと思います。
4. ITパスポート|スマホ・ネット・詐欺対策の基礎を学びたい人におすすめ
最後におすすめしたいのが、ITパスポートです。
ITパスポートは、IT(情報技術)の基礎を学ぶ国家試験です。
「今さらITなんて難しそう」
そう思う方もいるかもしれません。
でも、今の生活はスマホやネットなしではかなり不便です。
銀行。
買い物。
行政手続き。
病院の予約。
メール。
LINE。
ネットニュース。
キャッシュレス決済。
どれもITと関係しています。
そして、ネット詐欺も増えています。
フィッシング詐欺(偽サイトに誘導して情報を盗む詐欺)。
SMS(ショートメッセージ)を使った詐欺。
怪しいメール。
偽の通販サイト。
個人情報の流出。
こういうものから自分を守るためにも、ITの基本を知っておくことは大事です。
ITパスポートは、プログラマー(コンピューターに命令を書く専門職)向けの難しい資格というより、今の社会を生きるための基礎知識に近いです。
スマホやネットに苦手意識がある方ほど、学ぶ価値はあると思います。
退職後でも十分に挑戦できます。
迷ったら、まずはFP3級からでいい
ここまで4つ紹介しました。
ただ、迷う方もいると思います。
その場合は、まずFP3級でいいと思います。
理由は、生活との距離が近いからです。
年金。
保険。
税金。
相続。
資産運用。
不動産。
このあたりは、退職後に避けて通れないテーマです。
しかも、FP3級は難関資格というより、学び直しの入口としてちょうどいい資格です。
もちろん、勉強は必要です。
何もしなくても受かる資格ではありません。
ただ、無料の解説動画やサイトも多く、最初の一歩としては始めやすいです。
まずFP3級でお金の基本を学ぶ。
そのあと、興味に合わせて広げていく。
数字や会計に興味が出たら簿記3級。
住まいや相続に関心があれば宅建。
スマホやネットの不安を減らしたければITパスポート。
この流れが、退職後の学び直しとしては自然だと思います。
独学でもいい。続けにくければ動画講座もあり
資格の勉強は、独学でもできます。
本屋で参考書を買って、問題集を解く。
それで合格できる人もいます。
最近は、YouTubeや無料サイトでもかなり学べます。
まずはお金をかけずに、雰囲気をつかむのも良いと思います。
ただ、退職後に久しぶりに勉強する場合、独学がしんどく感じることもあります。
テキストを読んでも頭に入らない。
どこが大事なのか分からない。
問題集を開くまでが面倒になる。
分からないところで止まってしまう。
こういうことは普通にあります。
その場合は、動画講座を使うのも一つです。
スマホで少しずつ進められる講座なら、机に長時間向かわなくても勉強しやすいです。
大事なのは、立派な勉強方法を選ぶことではありません。
自分が続けられる方法を選ぶことです。
独学が合う人は独学でいい。
動画が合う人は動画でいい。
講座が合う人は講座を使えばいい。
無理なく続けられる形を選ぶことが、一番大事です。
資格は仕事で使わなくても意味がある
資格の話をすると、
「取っても仕事で使わないなら意味がない」
と言う人もいます。
でも、私はそうは思いません。
退職後の資格は、仕事のためだけではありません。
自分の生活を守るため。
家族の相談に少し乗るため。
怪しい話に流されないため。
毎日に張りを作るため。
そういう意味があります。
たとえばFP3級を勉強していれば、保険や年金、相続の話が少し分かります。
ITパスポートを勉強していれば、怪しいメールや偽サイトに気づきやすくなります。
宅建を勉強していれば、不動産の契約や相続の話を聞いた時に、少し落ち着いて考えられます。
資格は、取ったあとに仕事で使わなくても、知識として残ります。
その知識が、退職後の生活で自分を助けてくれることがあります。
これは、かなり大きな意味だと思います。
まとめ|退職後の資格は、まず生活に役立つものから始めよう
退職後に資格を取るなら、無理に難関資格を選ぶ必要はありません。
まずは、生活に役立つ資格から始めるのがおすすめです。
今回紹介した資格は、次の4つです。
FP3級
お金、年金、保険、相続を学びたい人におすすめ。
簿記3級
お金の流れや会計の基本を理解したい人におすすめ。
宅建
住まい、不動産、相続に関心がある人におすすめ。
ITパスポート
スマホ、ネット、詐欺対策、ITの基本を学びたい人におすすめ。
この中で迷うなら、まずはFP3級からでいいと思います。
退職後の不安は、お金だけではありません。
毎日の張り。
自分で判断できる安心感。
家族や友人に少し役立てる知識。
まだ自分も前に進めるという感覚。
そういうものも大事です。
資格の勉強は、人生を一気に変えるものではありません。
でも、少しだけ生活の見え方を変えてくれます。
少しだけ不安を減らしてくれます。
少しだけ、誰かの役に立てるかもしれません。
その「少し」は、退職後の毎日では思っている以上に大きいです。
60代からでも、学び直しは遅くありません。
まずは、生活に一番近い資格から。
無理なく、少しずつ始めてみるのがいいと思います。
