はじめに
資格を取る理由は、人それぞれです。
でも、かなり正直に言えば、多くの人は「今の自分を少し変えたい」と思って資格を取るのだと思います。
年収を上げたい。
今の会社で評価されたい。
転職や異動の可能性を広げたい。
将来、独立や副業も少し考えたい。
会社の看板を外したときに、自分に残るものを作りたい。
私は、それでいいと思っています。
資格を取る理由が、きれいごとだけである必要はありません。
年収アップや成長を目指して資格を取るのは、かなり自然なことだと思います。
私自身も、高卒で会社員として働きながら、社労士、宅建、FP2級、IT系資格などを取ってきました。
もともと勉強が得意だったわけではありません。
活字の多い参考書も苦手でした。
それでも資格を取っていく中で、少しずつ見える景色は変わりました。
資格を取ったからといって、急に別人のように仕事ができるようになるわけではありません。
資格試験の知識と、実務で身につく知識は別物です。
現場では、実際に仕事をしながら覚えることの方が大事な場面もあります。
それでも、資格には意味があります。
努力を形にできる。
会社の中で、自分を説明する材料になる。
転職や異動のときにも、話の土台になる。
そして何より、会社の看板を外したときに、自分の中に残るものになります。
その中でも、サラリーマンにとってかなり相性がいい士業資格が、社労士と中小企業診断士だと思っています。
超難関資格はすごい。でも、サラリーマンには別の現実もある
士業資格といえば、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、不動産鑑定士などがあります。
どれも本当にすごい資格です。
取れれば、人生の選択肢は大きく広がると思います。
ただ、これらは間違いなく超難関資格です。
弁護士や公認会計士は、若いころから本気で人生設計に組み込んで目指す人も多い世界です。
税理士、司法書士、不動産鑑定士も同じです。
「社会人でも目指せる」
「働きながら狙える」
そう紹介されることはあります。
実際に、働きながら合格する人もいます。
ただ、受験できることと、現実的に合格までたどり着けることは別です。
ここは、資格を選ぶときに冷静に見た方がいいと思っています。
もちろん、超難関資格に挑戦すること自体は素晴らしいです。
本気で目指す人を否定する気はまったくありません。
ただ、サラリーマンには仕事があります。
家庭があります。
生活があります。
体力にも時間にも限りがあります。
だからこそ、資格を選ぶときは、
取れたらすごい資格かどうか。
それだけではなく、
働きながら現実的に狙えるか。
独立しなくても会社員として役に立つか。
年収アップや成長につながる可能性があるか。
ここまで考えた方がいいと思っています。
その意味で、社労士と中小企業診断士は、サラリーマンにとってかなりバランスのいい士業資格です。
社労士は、会社員経験と相性がいい
社労士は、労働、社会保険、年金、人事労務などを扱う資格です。
簡単に言えば、会社と人に関する専門家です。
これは、サラリーマンとかなり相性がいいです。
会社員として働いていると、労働時間、残業、有給休暇、育休、休職、退職、社会保険、ハラスメント、メンタルヘルスなど、労務に関係する場面を実際に見たり、経験したりします。
社労士の勉強内容は、机の上だけの話になりにくいです。
会社で働いている人ほど、
「ああ、これは実際に会社である話やな」
と感じやすい資格だと思います。
もちろん、社労士を取ったからといって、すぐに人事部へ異動できるわけではありません。
資格を取れば、明日から急に年収が上がるわけでもありません。
でも、人事、総務、労務、コンプライアンス、安全衛生、働き方改革などに関心がある人にとっては、かなり強い材料になります。
会社員として働いてきた経験そのものが、社労士の勉強とつながる。
ここが、社労士の大きな魅力です。
社労士は、独立しなくても使える
士業資格というと、どうしても「独立してなんぼ」と思われがちです。
でも、社労士は独立しなくても使える資格です。
勤務社労士という道があります。
全国社会保険労務士会連合会の2024年度社労士実態調査では、回答者の会員種別として、開業が51.4%、法人の社員が8.6%、勤務等が40.0%とされています。つまり、社労士の中には、会社などに勤務しながら資格を活かしている人もかなりいます。
さらに同調査では、勤務社労士の勤務先について、100人以上の企業規模に約53%が勤務し、1,000人以上の企業規模にも約25%が勤務しているとされています。大企業を中心に勤務社労士が活躍していることも示されています。
これは、サラリーマンにとってかなり大きいです。
社労士は、取ったらすぐ独立しなければいけない資格ではありません。
会社員として働きながら、社内で活かす道があります。
人事や総務にいる人はもちろん、今は別の部署にいる人でも、将来的な異動やキャリアの幅を広げる材料になります。
会社の中で評価されたい。
人事労務に関わる仕事をしたい。
管理部門に行きたい。
将来的に独立も考えたい。
こういう人にとって、社労士はかなり現実的です。
社労士は、開業した場合の売上データもかなり良い
社労士は、会社員として活かせるだけでなく、開業した場合の数字もかなり良いです。
2024年度の社労士実態調査では、開業社労士の事務所当たりの年間売上は平均約1,658万円、中央値550万円とされています。また、1,000万円以上が3割強、1億円以上の売上も2%程度あるとされています。
これは、普通にかなり良い数字だと思います。
もちろん、これは「年収」ではなく「事務所の年間売上」です。
ただ、士業は大きな仕入れや在庫を抱える仕事ではありません。
特に一人事務所であれば、事務所家賃、会費、システム利用料、通信費、広告費、研修費などはかかりますが、飲食店や小売業のように大きな仕入れを抱える仕事とは違います。
売上に対して、経費を抑えやすい仕事です。
そう考えると、中央値550万円、平均約1,658万円、1,000万円以上が3割強という数字は、かなり魅力があります。
会社員として知識を活かせる。
勤務社労士として会社の中で働く道もある。
将来的に独立して、一人事務所としてやっていく道もある。
そして、実際の売上データを見ても十分に可能性がある。
ここが社労士の強さだと思います。
しかも同調査では、開業社労士自身を含む事務所体制について「1人」が56.4%とされています。1人で事務所を運営している人が半数を超えている点も、サラリーマンが将来を考えるうえでは大きな材料になります。
大きな事務所を作らなくてもいい。
まずは一人でやる道がある。
個人事業主的に働く道もある。
うまくいけば、事務所を大きくしていく道もある。
社労士は、サラリーマンにとってかなり夢のある資格だと思います。
中小企業診断士は、会社員としての市場価値を上げやすい
中小企業診断士は、経営コンサルタント系の国家資格です。
経営戦略、財務、マーケティング、運営管理、組織、人事、情報システムなど、会社経営に関する幅広い知識を学びます。
社労士が「人と会社の仕組み」に強い資格だとすれば、中小企業診断士は「会社全体を見る」資格です。
これも、サラリーマンにとってかなり相性がいいです。
会社で働いていると、どうしても自分の部署の仕事だけを見がちです。
営業なら営業。
現場なら現場。
管理部門なら管理部門。
自分の担当範囲だけで、毎日が過ぎていきます。
でも、中小企業診断士の勉強をすると、会社全体を見る視点が入ってきます。
売上はどう作るのか。
利益はどこで残るのか。
人をどう動かすのか。
商品やサービスをどう売るのか。
現場をどう改善するのか。
こういう視点は、会社員としてかなり役に立ちます。
特に、管理職を目指す人、企画職に行きたい人、営業で上に行きたい人、経営に近い仕事をしたい人には相性がいいと思います。
中小企業診断士も、独立しないと意味がない資格ではありません。
むしろ、会社員のまま活かしやすい資格です。
企業内診断士として、会社の中で経営や改善の視点を持って働く。
今の仕事に経営の視点を足す。
転職や昇進のときに、自分の強みとして示す。
こういう使い方ができます。
中小企業診断士も、収入面の可能性がある
中小企業診断士も、収入面のデータを見ると魅力があります。
日本中小企業診断士協会連合会の活動状況アンケート調査では、コンサルティング業務日数の合計が100日以上の人を対象にした年間売上または年収について、「501〜800万円」が21.4%で最も多く、「1,001〜1,500万円」が15.4%、1,001万円以上の合計が34.0%とされています。
これも、かなり良い数字だと思います。
もちろん、これは中小企業診断士全員の平均ではありません。
コンサルティング業務を一定以上している人のデータです。
ただ、きちんと活動している人には、収入面でも十分に可能性がある資格だと言えます。
会社員として働きながら、経営を見る力をつける。
副業、研修、執筆、補助金支援、コンサルティングなどに広げる。
将来的には独立も考えられる。
中小企業診断士も、サラリーマンにとってかなり魅力のある資格です。
社労士と中小企業診断士は、方向性が違う
社労士と中小企業診断士は、どちらもサラリーマンに向いている資格だと思います。
ただ、方向性は違います。
社労士は、人事労務、社会保険、年金、働き方、会社と従業員の関係に強い資格です。
会社の中では、人事、総務、労務、コンプライアンス、安全衛生などと相性がいいです。
一方で、中小企業診断士は、経営、財務、マーケティング、組織、現場改善などを広く見る資格です。
会社の中では、企画、営業、管理職、経営企画、事業改善、新規事業などと相性がいいです。
どちらが上という話ではありません。
社労士は、人と会社の仕組みに強い。
中小企業診断士は、経営全体を見る力がつく。
この違いです。
サラリーマンとして人事労務や働き方に関心があるなら、社労士はかなり良い選択肢です。
会社全体を見たい、経営に近い視点を持ちたい、管理職や企画職として成長したいなら、中小企業診断士はかなり良い選択肢です。
独立しなくても役に立つところが強い
社労士と中小企業診断士の良さは、独立しなくても役に立つところです。
ここは本当に大きいです。
士業資格というと、どうしても独立開業のイメージがあります。
でも、サラリーマンにとって大事なのは、独立するかどうかだけではありません。
今の会社で役に立つか。
評価につながるか。
異動や転職の材料になるか。
自分の専門性として残るか。
ここが大事です。
社労士なら、人事労務、総務、コンプライアンス、安全衛生、働き方改革、休職復職対応などに知識がつながります。
中小企業診断士なら、経営企画、営業、管理職、事業改善、マーケティング、財務分析などに知識がつながります。
つまり、どちらも会社員としての仕事に返ってくる資格です。
資格を取って、すぐ独立しなくてもいい。
今の会社で評価される材料にしてもいい。
異動や転職の武器にしてもいい。
副業や将来の独立に向けた土台にしてもいい。
この使い道の広さが、サラリーマンにとってかなり大きいです。
年収アップや成長を目指すなら、かなり良い選択肢だと思う
資格を取る理由は、もっと前向きでいいと思います。
年収を上げたい。
今より評価されたい。
自分に自信を持ちたい。
会社に依存しすぎない力を持ちたい。
将来の選択肢を増やしたい。
そういう気持ちがあって、資格を取る。
私はそれでいいと思っています。
資格は人生一発逆転の魔法ではありません。
でも、努力を形にしてくれます。
自分の専門性を作ってくれます。
会社の中でも、外でも、自分を説明する材料になります。
特に社労士と中小企業診断士は、サラリーマンが年収アップや成長を目指すうえで、かなり現実的で強い資格だと思います。
社労士は、会社員経験と相性がいい。
中小企業診断士は、会社全体を見る力がつく。
どちらも、独立しなくても役に立つ。
そして、将来的に独立や副業の可能性も持てる。
このバランスがいいです。
弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、不動産鑑定士のような超難関資格は、本当にすごい資格です。
ただ、サラリーマンが働きながら年収アップや成長を考えるなら、社労士と中小企業診断士はかなり良い選択肢だと思います。
資格で一発逆転とは言いません。
でも、人生の選択肢を少し増やすことはできる。
会社の看板を外したときに、自分の中に残るものを作ることはできる。
そのための資格として、社労士と中小企業診断士は、サラリーマンにとってかなり魅力のある士業資格だと思います。
参考情報について
この記事では、全国社会保険労務士会連合会の「2024年度 社労士実態調査」および日本中小企業診断士協会連合会の中小企業診断士活動状況アンケート調査を参考にしています。
年収、売上、資格制度、試験制度などは変更される可能性があります。
最新情報は、必ず各資格の公式サイトや公表資料で確認してください。
